成層圏飛翔体との通信を行なう場合、ビル等の構造物による遮弊が問題となる。研究では道路上を移動する車両との通信を想定し、道路方向に対し飛翔体が0°、30°、60°、90°に位置する場合の、各相対角における見通し状況を市街地における実測によって求めた。その際、各相対角度において、仰角で10°毎に水平方向に見通し可能な継続角度である見通し継続角度分布とシャドウイングである遮弊継続角度分布を求めた。更に、成層圏飛翔体の仰角別に異なると考えられる多重伝搬特性を、見通し状態において測定した。結果より仰角が高くなるにつれ、多重反射の影響が小さくなることが確認でき、それらは平均受信電力の変動分布として角度別に求めることが出来た。このような結果を元に成層圏飛翔体を用いた移動体通信シミュレーションを構築し特性を取得すると共に飛翔体ダイバーシチや提案するビル等の遮弊を有効利用するシャドウイングを利用したアクセス方式に関する性能評価を行った。シミュレーション結果から提案方式の有効性を定量的に評価した。
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