本研究では、インターネット上の新しいネットワークアプリケーションとして教育やエンターテイメントへのネットワーク応用に焦点を当て、「放送会議接続」方式を提案し、この実現方式について研究開発している。本研究が完成すると、遠隔クラスルーム(通常の教師→学生の一方向授業に加え、学生同士の会話も行える)、テレビ番組へのフィードバック、観客付コンサート中継、観客付ネットワークゲーム等への応用が考えられ、その社会的貢献度は非常に大きいものと推測される。本研究は2年計画のため、初年度の今年は類似研究の調査と方式の詳細検討を行った。 類似研究の調査としては、既存マルチキャスト方式について調査検討を行い、特にIPv6(Internet Protocol version 6)とRSVP(Resource reSerVation Protocol)について詳細調査した。この結果、各種リライアブルマルチキャスト通信プロトコルとの比較を行いRSVPに見られる受信者指向のマルチキャストプロトコルの優秀性を確認した。 また、提案方式である放送会議接続方式に関して、アクティブネットワーク技術を用いることを想定し、IPv6とアクティブネットワークとの整合性について検討した。幸いにもこの両者はプロトコルの相性が良く、提案方式実現のためにはこの両者を組み合わせることが最適解のひとつであることがシミュレーションにより証明することができた。 来年度は今年度の詳細設計を元にプロトタイプ実証を行い、その有効性を示す予定である。
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