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2000 年度 実績報告書

空間知覚に関わる運動発現過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11750364
研究機関東京大学

研究代表者

前田 太郎  東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00260521)

キーワードEve Movement / Arm Movement / Sensory Motor Integration / Saccade / Smooth Pursuite / Constancy / Ballistic Movement / Spatial Perception
研究概要

最終年度である平成12年度には,前年度の注視点を変更する眼球運動が運動軌跡に与える影響の実際について得られた心理物理実験データをもとに数理モデルを用いて実験結果を整理し,各現象を説明可能な感覚統合過程の数理モデルを同定した.これらの過程から,空間知覚における曲面の表現形態について重要な示唆が得られたため,新たに心理物理実験を計画し,検証を行った.発見された事実は,手で触れることの出来る一連の点列が与えられた場合,これに連なる次の1点を予測せよという課題において,被験者は常にその近傍の3点までしか考慮の対象にしていないという現象であった.この現象から,人間の知覚構造において,曲面の連続性が2次の関数で記述されているという仮説を提案し,数理モデルによるシミュレーション解析によって,各点配置に対する被験者の反応を予測し,実際の心理物理実験による計測結果との比較検証を行った.解析には研究代表者がこれまでの研究においてホロプタやアレイといった心理物理的な知覚現象を説明することに成功している「スカラ加算モデル」を用いた.同モデルは大脳生理学の知見を取り入れて構成された数理モデルであり,生理学的に見て自然な学習上の制約と数理的な扱いにおいて学習の収束段階でのローカルミニマム等の問題を回避できるなどの特徴を持ち,いくつかの新たな心理物理的現象を予測することに成功している.この結果,人間の上肢位置知覚においては曲面の連続性は各関節角の2次関数として記述されており,視覚的なユークリッド座標系上の2次曲面とは異なる形状をより自然な連続形状とみなしていることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Taro Maeda,Susumu Tachi: "A New Metrical Model for the perception of parallel and equidistance in Binocular Visual Space"Proceedings of the Association for Research in Vision and Ophthalmology. vol.2. 4313 (2000)

  • [文献書誌] Taro Maeda,Eimei Oyama,Susum Tachi: "A consideration for the inclination of the vertical horopter against the geometrical structure of Luneburg theory"Proceedings of Society for Neuroscience. vol.2. 1846-1846 (2000)

  • [文献書誌] 河根拓文,前田太郎,舘章: "視覚入力に伴う上肢と眼球の運動過程の研究"第15回生体生理工学シンポジウム論文集. Vol.282-1. 243-246 (2000)

  • [文献書誌] 堀尾健一,前田太郎: "触覚におけるその連続性の認識モデル"電子情報通信学会技術研究報告. NC2000-103. 1-6 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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