研究概要 |
本研究の特色は,光ファイバを用いて青・緑・赤・赤外の発光ダイオード(LED)の出力光を統合することで,計測装置を持ち込めない悪環境において非接触に物体表面凹凸と色とを同時に計測することが可能なセンサを実現することである.4色統合フォトニックファイバセンサは,それぞれLEDと受光器とつながった光ファイバを並べた構成からなり,センサから物体までの距離に応じて受光量が変化することから物体の表面の凹凸を計測する.物体表面の色は物体の傾きと赤・緑・青の光量の比から計測する.以上の機能を有するセンサを実現するために平成11年度には,計測精度ならびにLEDとの結合効率についてシミュレーションと原理確認のための実験を行った.結果,計測精度に関しては,直径0.1mm〜1mmの光ファイバを用いて10μmの凹凸が検出可能であるとの試算を得て,1mm(コア径0.98mmφ)の光ファイバを用いることで,ステムパッケージ入りLEDを利用できることがわかった.そこで,直径1mmのプラスチック光ファイバとステムパッケージ入り窒化ガリウム系青色LEDを用いて1発光1受光からなるLED結合フォトニックファイバセンサを製作し,ターゲットとなる金属平板とセンサヘッドの間の距離に対する受光強度を測定した結果,距離に対して受光強度が線形に変化する領域が複数存在し,それぞれで計測精度,計測可能距離範囲が異なることがわかった.さらに,LEDをそれぞれ光ファイバに結合し,受光器に結合した光ファイバのまわりに配置してフォトニックファイバセンサを構成し,各出力の差分を取ることでターゲットの左右位置に対して受光強度の差分が線形に変化することを実験により確認した.
|