研究概要 |
【自律的かつ動的な多入力算術演算器の再構成を指向した3次元画像計測】 移動する対象物体の3次元画像計測をステレオビジョンにより実現する場合について,特に種々の入力数の多入力算術演算器の動的再構成という概念に基づく,フィルタサイズを適応的に変化可能な画像処理アルゴリズムの有用性を,具体的に画像処理実験を繰り返しながら検討するため,2台のCCDビデオカメラを組み合わせた3次元画像計測システムを構築した.この画像計測システムを用いて3次元画像計測実験を行ったところ,レンズを含む光学系の特性にばらつきがあるため,ピンホールカメラを用いる以外にはフォーカスやズームに伴う各レンズ変位に関するカメラのモデル化が必要であることが明らかとなった.本知見を発展させることにより,レンズ変位とともにアイリス量をも加えて,被写界深度をも考慮にいれた3次元画像計測アルゴリズムを考案した.さらに,ステレオビジョンによる3次元画像計測に必要となる対応点探索において,動的計画法に基づく対応点探索時の誤差最小化の実験を行ったところ,画素レベルでの対応点のみならず,被写界深度に関係する画像のぼけを考慮して複数のサイズの近傍での相関演算を導入することにより,大雑把な3次元計測から高精度3次元計測までを統一的に実現可能であるという知見を得た.本知見により,入力画像のぼけ具合に対して適応的に近傍演算のフィルタサイズを変更する処理を自律的かつ動的に行える再構成可能並列プロセッサの概念を考案することができた. 【CADシステムを利用した,自律的かつ動的に再構成可能な並列プロセッサアーキテクチャの基礎的考察】 上述の再構成可能並列プロセッサのアーキテクチャ設計を効率的に行うため,VDECプロジェクトに参加してCADシステムを新たに構築した.また,1回あたり通常数週間を要するCAD上でのシミュレーション検証を効率よく行うことを目的として,複数のFPGA等を実装可能な多層基板試作システムを構築した.本システムを利用することによりターゲットに特化した動作検証用プリント基板を低コストかつ短納期にて入手できる.
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