研究概要 |
本研究目的を達成するために平成11年度には以下の4項目に関して研究を行なった. 1.磁気浮上制御基礎美験システムの再構築 計測精度と計測可能範囲の向上のため,光学式高精度非接触変位センサを既存の磁気浮上制御基礎実験システムに導入し,システムの再構築を行なった. 2.磁気浮上制御基礎実験システムの数理モデル集合の導出と物理パラメータの同定 電磁石回路方程式,電磁石吸引力式,浮上体の運動方程式などシステムの動的特徴を表現する微分方程式や,公称状態空間モデルを導出した.ここで現在までに考慮していなかった電磁石のヒステリシス,飽和,渦電流ダイナミクスなどの振舞いについても調べ,上記モデルに導入した.また公称状態空間モデルに含まれる物理パラメータを制御実験により同定した. 3.数理モデル集合に基づく磁気浮上制御系設計と制御則の理論計算 時変の目標位置に対して高精度に追従し,さらにモデルの構造的な非線形な不確かさや予期せね外乱に対しても,システムが安定性を保ち,かつ制御性能が劣化しないように,Integral Quadratic Constraints解析に基づいてロバスト性能を有する補償器を設計した. 4.計測・設計用のハードウエアの製作 磁気浮上制御基礎実験システムを実時間で制御するには膨大な情報を高速に処理することが必要である.そこで制御演算部,信号変換部には本補助金で購入した実時間制御用コンピュータを導入し,これにより,高速・高精度な制御演算を実現した.
|