本研究では、安定なサブシステムと不安定なサブシステムからなる切替システムに対して、平均切替時間アプローチとpiecewiseリヤプノフ関数を用いて安定性の解析を行った。サブシステム間の平均切替時間が十分に長く、かつ、不安定なサブシステムの作動時間と安定サブシステムの作動時間との比例がある定数以下ならば、全体システムの指数安定性が保証されることを示した。この結果が各サブシステムにノルム有界な摂動がある切替システムについても拡張された。この場合、同じ切替条件のもとで、摂動がvanishingであれば切替システムの指数安定性が保証され、摂動がvanishingでなければ原点への指数的収束ができることを証明した。 次に、本研究では線形時不変システムに対して静的出力フィードバックによる安定化問題を考えた。すなわち、一つの静的出力フィードバックでは安定化できないシステムに対して、複数の出力フィードバックを考え、それらの出力フィードバック間に切り替えることによってシステムを安定化する問題である。よく知られているように、この制御問題は一般に難しく、解の存在性及び必要な出力フィードバックの数はまだ解決されえていない。本研究では、二次元のシステムに限定してこの制御問題を考察した。結果的に、conic seitching法という手法を用いて、二つの静的出力フィードバックを切替えることによって任意の二次元線形時不変システムを安定化できることを示した。フィードバックゲインの具体的な設計法も与えている。
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