研究概要 |
今年度においては,自律移動ロボットの走行制御アルゴリズムであるファジィ推論モデルを,走行環境に適応的に最適化するための手法の改善と,ファジィ推論モデルを高速に計算するための手法,そして自律移動ロボットの作製に関して以下のような成果を得た. 1.遺伝的アルゴリズムの突然変異オペレータにおけるビット選択確率に偏りをもたせ可変とした.可変型ビット選択確率の手法では,パラメータ選択確率の値によって最適化過程にばらつきがあり,必ずしも速やかに最適化が行われているとはいえなかった.このパラメータ選択確率を適応的に変化させることにより,効率良くファジィ・モデルを最適化することが可能となった. 2.ファジィ推論を自律移動ロボットの制御に適用するために,種々の種類のメンバーシップ関数を試行する必要がある.このとき,従来手法ではメンバーシップ関数の種類の違いにより計算量が異なったり,高速に計算することができなかった.これに対し,メンバーシップ関数が異なっても一様に高速計算が可能な計算アルゴリズムを確立した. 3.各センサからデータを取り込み,ステアリング制御,速度制御の各指令を出力するシステムを作製した.走行制御には新規設備のノート型パーソナルコンピュータを用いている. 今後は,これらのアルゴリズムを走行制御に適用した場合について計算機シミュレーションにより検証し,実際のロボットにこれらのアルゴリズムを実装する.またロボットの環境認識に用いる超音波ソーナの最適な波形パターンを獲得する手法を確立する予定である.
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