初年度にあたる11年度は変位場・境界条件取得システムならびに取得情報画像処理システムを構築した. 変位場取得には、ビデオカメラを使用する予定であったが、より高い解像度が必要であるため、白黒写真をスキャナで読み取る手法に変更することにより、解析に必要な精度を達成した。 境界条件取得には、供試体をラバーフォームで覆う方法を用いたが、ラバーフォームのクリープ変形が大きく、精度の向上のためには、他の素材の利用あるいは計測手法の再検討が必要であると考えられる。 構築したシステムを用いて、豊浦標準砂に対して実験を行い、等価介在物法を用いた逆解析を行った。上記の精度の問題があるため、精度は保証されないが、少なくとも、定性的には良好な結果が得られ、本手法が実働可能であることを確認した。 データベースを用いた数値解析に向けた基礎研究として、簡単な弾塑性構成則に基づくデータベースを用いた有限要素解析が実行可能であることを確認した。小規模なデータベースであれば、近年の計算機の発達により、データベースをRAM上に保持することが可能であり、計算速度の向上も期待できるという結果がえられた。 次年度は境界条件取得手法の改良を行い、実用的な精度のデータベースを作成するとともに、有限要素解析におけるデータベースの効率的利用についても検討を加える予定である。
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