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1999 年度 実績報告書

フライアッシュによるコンクリート中の異種材料界面性状の改善と鉄筋腐食の制御

研究課題

研究課題/領域番号 11750408
研究機関東京工業大学

研究代表者

宮里 心一  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60302949)

キーワード鉄筋コンクリート / 鉄筋腐食 / 界面 / 塩化物イオン浸透性 / 中性化浸透深さ / 塩化物腐食
研究概要

普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートに関して、(1)骨材および鉄筋界面性状、(2)腐食因子の浸透性、(3)鉄筋腐食速度、の関係を確認した。
界面ビッカース硬さは、対象とする界面の外側に存在するモルタルの品質の影響を受ける。すなわち、対象とする界面の外側のモルタルの品質が良ければ、界面ビッカース硬さは高い。一方、対象とする界面の外側のモルタルの品質が悪ければ、界面ビッカース硬さは低い。
2.塩化物イオン浸透性および中性化浸透深さは、骨材界面およびモルタル部の影響を受ける。ただし、骨材の種類が物質透過性に及ぼす影響は小さい。
3.ダブルミキシング工法により、界面ビッカース硬さを改善できた。その結果、物質透過性を約20%も減少させることができた。
4.塩化物腐食について、欠陥部が存在する場合、水セメント比が0.3の時にマクロセル卓越型の腐食が進行する。一方、水セメント比が大きくなるに伴い、ミクロセル卓越型の腐食が進行する。また、マクロセルが形成することにより、水セメント比が0.3の時に水セメン比が0.7の時と比較して腐食速度が速くなる場合がある。
5.中性化腐食について、いずれの水セメント比においても、マクロセル卓越型の腐食が進行する。また、水セメント比が小さくなるに従い腐食速度は遅くなる。
6.塩化物による腐食の速度は、中性化よる腐食の速度より速い。
7.曲げひび割れ近傍では、主鉄筋と比較して、スターラップの腐食速度は著しく速い。例えば、水セメント比が50%の場合、引張側スターラップの腐食速度は0.12mm/年となり、主鉄筋の腐食速度と比較して、5倍も速い。
8.曲げひび割れ近傍では、マクロセルが形成し、腐食速度は著しく増加する。すなわち、ひび割れがない場合は、上部スターラップにおいて、マクロセル電流密度:ミクロセル電流密度が1:5であったのが、ひび割れが存在する場合は、ひび割れと接する引張側主鉄筋において、70:1となった。さらに、ひび割れと交差する主鉄筋の腐食速度は0.02mm/年であり、ひび割れがない場合の3倍も速い。
9.内部鉄筋を分割した供試体を用いた結果、実構造物では測定不可能な鉄筋内部を流れるマクロセル腐食電流、およびミクロセル腐食電流を、定量的に測定できた。その結果、腐食形態の評価に有効であった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 大即 信里、宮里 心一: "曲げひび割れ近傍に生じる主鉄筋とスターラップの塩化物腐食形成機構"土木学会論文集. No.627/V-44. 161-177 (1999)

  • [文献書誌] Nobuaki Otsuki: "Effects of Chemical Composition and Diameter of Binders on the ITZ in Concrete"Proceedings of the East Asia-Pacific Conferece on Structural Engineering & Construction. 7. 140-1495 (1999)

  • [文献書誌] Nobuaki Otsuki,Shin-ichi Miyazato: "Electro-Chemical Technique for the Repair of Reinforced Concrete"Proceedings of the East Asia-Pacific Conference on Structural Engineering & Construction. 7. 1502-1507 (1999)

  • [文献書誌] Nobuaki Otsuki,Shin-ichi Miyazato: "The use of coated coarse aggregate and doble mixing In making concrete"JSCE First International Summer Symposium. 1. 275-278 (1999)

  • [文献書誌] 大即 信明: "結合材の化学組織及び粒度がコンクリート中の骨材界面の遷移帯形成に及ぼす影響"セメント・コンクリート論文集. 発表予定. (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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