中国淮河流域で展開されているGAME-HUBEXでは、集中観測期間である1998年度には大気陸面過程に焦点をあてた観測が実施され、多種多量のデータが収集された。 1.データ購入費として86000元を使用し、研究に必要なデータセットを作成した。 水文データは、史灌流域の1998年5〜8月についてはHUBEXデータセンターのものを使用した。淮河中流部の蚌埠市よりも上流(安徽省、河南省)の主要水文観測地点の雨量(235地点)、河川流量、ダム放流量(172地点)、パン蒸発量(29地点)、河道断面等の地理情報を収集した。 地上気象データに関しては、HUBEXデータセンターのものを使用した。HUBEX領域内約120地点の地上気象データを収集し、6時間間隔観測点に関しては、毎時観測点のデータを用いて時間的に補間した。さらにモデルのグリッドに合わせるために空間的な補間を行なった。この際、補間による誤差が少なくなるような手法を選択して、要素毎に空間内挿を行った。淮河流域に関しては5分メッシュで、史灌流域に関しては30秒メッシュで、気象データをグリッド情報に整備した。 2.水田熱収支データをもとに水田モデルを開発した。 水田モデルでは、水位の変化を考慮するために、従来の植生モデル(SiB2)に水温と水深を状態変数として加える。水深を予報するために、総貯水量という変数を定義して、モデル化を行った。稲作の成育段階に応じた水管理上の人為的操作をルール化して、モデルに組み込んだ。
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