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1999 年度 実績報告書

海洋波の砕波が大気-海洋間のガス輸送に果たす役割

研究課題

研究課題/領域番号 11750460
研究機関九州大学

研究代表者

杉原 裕司  九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (70243970)

キーワードガス輸送 / 海洋波 / 風波 / 砕波 / 乱れ / 表面更新 / 再曝気
研究概要

本年度は,風洞付造波水槽を用いて,風波とうねりが存在する実際の海洋波に近い状況下でのガス輸送係数k_Lの波浪依存性を調べた.また,うねりを伴う砕波状態での波高と流速変動のパワースペクトル特性についても検討した.うねりは,水面上の送風により発生する風波場に,造波による規則波を加えることによって起こした.本実験の結果から,うねりが存在することにより,風波スペクトルピーク周波数付近の流速変動のエネルギーが顕著に低下することがわかった.このピーク周波数付近のエネルギー減衰は,波高スペクトルのパワー低下と良く対応しており,うねりの波形勾配とともに増大する.これは,うねりにより風波の砕波が促進されたためと考えられ,ガス輸送における砕波の役割を議論する上で興味深い現象である.ガス吸収実験の結果から,うねりは風波気液界面でのガス輸送を促進させ,その効果はうねりの周期が短いほど大きいことがわかった.また,k_Lはうねりの波形勾配とともに単調に増加せずある波形勾配で極大値をもつような傾向を示すことが明らかとなった.摩擦速度で規格化されたガス輸送係数k_L/u_*は,無次元パラメータR_B(≡u_*^2/vσ_p)の1/2乗に比例することが示された.ここで,vは空気の動粘性係数,σ_pは風波のピーク角周波数であり,R_Bは白波被覆率や飛沫の生成等を規定する重要なパラメータと考えられている.ガス輸送係数に関する理論的考察から,このR_B依存性は標準的な表面更新モデルでは説明できず,砕波による界面崩壊や気泡の効果を考慮したガス輸送モデルが必要であることが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 杉原裕司 他: "風波下における乱流境界層の構造"海岸工学論文集. 第46巻. 96-100 (1999)

  • [文献書誌] 杉原裕司 他: "風波気液界面におけるガス交換係数の評価"海岸工学論文集. 第46巻. 106-110 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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