| 研究概要 |
研究初年度である平成11年度においては,以下の項目について検討を加えた.
1)駐車場予約システムの利用意向に関する分析
どのような状況下において駐車場の予約が望まれているか,言い換えれば,駐車場予約システムはどのような状況下で成立しうるものであるのかをアンケート調査票において,意識調査を通じて分析した.その結果,到着時刻制約がある場合,周辺の予約制ではない駐車場が混雑している場合には予約駐車場を利用する傾向にあることが明らかとなった.
2)駐車場予約システム稼働時の交通行動についての分析
同じくアンケート調査により,予約駐車場および予約でない駐車場について料金や徒歩時間などを変化させた質問を設定し,予約利用/非利用の意思決定をモデル化した.
3)交通行動実験システムの構築および個人の意思決定過程の動的分析
駐車場予約システムに期待される効果の一つとしての,時間的・空間的分散が挙げられる.この効果を分析するため,交通行動実験システムを新たに構築した.実験システムを用いて交通行動を観測し,予約システムの導入,さらに現在でも併用されている,情報提供との併用による効果などについて詳細な分析を行った.
4)交通行動実験システムとSP調査との比較分析
アンケート調査を通じたSPデータと実験システムによって得られたデータとは,サンプルの多様性や一回の行動で得られるデータの詳細さの面で,相補的な関係にあるといえる.そのため,SPデータと実験データにより得られたモデルの差異を分析することにより,その相違を分析した.
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