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都市内集配送に関する各企業の配車配送計画は、対象地域内の道路網上の所要時間を予測した上で策定される。そのような状況下での、配車配送計画問題を定式化し、効率的な求解法の適用を試みた。集配車のデポ出発時刻と顧客訪問順序を決定する配車配送計画問題は、厳密解法による求解が困難である。したがって、ヒューリスティック手法を用いて効率的に近似最適解を求める必要がある。そのため、ヒューリスティック手法の一つである遺伝的アルゴリズムを適用するとともに、求解効率を高めるパラメータ設定について検討した。対象道路網上のリンク所用時間予測の際には、ある一定期間内のリンク所用時間を固定値で捉えるか(確定論的モデル)、平均と分散を考慮した変動値で捉えるか(確率論的モデル)によって配車配送計画モデルは相違する。両モデルを通じて得られた集配送行動の相違を確認するとともに、シミュレーションモデルを介して集配送行動のパフォーマンスを比較することにより、配車配送計画システムをどのレベルまで高度化すればよいかについて考察した。
さらに、都市内集配活動の効率化に資する物流拠点整備にも注目し、その最適配置を求める方法論を確立した。この最適配置モデルは、複数の評価指標を同時に考慮することが可能であるとともに、交通量配分手法を組み込むことにより、道路網上での交通状態の変化も明示的に考慮することができる。
これらのモデルを有効なものとするには、都市内集配送の行動主体である企業の意向や意思決定を無視することはできない。そのため、物流関連企業へのヒアリング調査等に基づいて、都市内集配送に関する企業の意思決定プロセスについて基礎的考察を行った。その結果、共同輸配送や物流拠点整備を内包した、都市環境・交通問題の緩和・解決に寄与する都市内集配送合理化策に関して、有効な基礎的知見が得られた。
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