本年度は、加力治具の制約から試験体は鉄骨造とし、試験体および加力治具の設計・作成を行った。実験対象構造物は鉄骨試験体と同一の特性をもつ2層建物とし、実験対象階は1階とした。それに伴い、東京大学生産技術研究所千葉実験所の現有設備であるアクチュエータ加力システムを10bit制御で使用した場合に発生する制御誤差が構造物全体の動的応答性状に与える影響を再度、解析的に検討した。その結果、通常のサブストラクチャ・オンライン地震応答実験で用いられる精度である10bitにおいても、制御誤差は建物全体の応答に大きな影響を与え、サブストラクチャ・オンライン地震応答実験の精度を低下させることが分かった。更に、今回提案した可変時間刻み法を用いた場合、充分その制御誤差の影響を低減しうることを確認した。そこで、この試験体で充分提案した積分法の有効性を確認しうると判断し、実験の準備を進めている。既に実験制御プログラムは作成されており、現在パイロット試験を行いプログラム及び実験制御系のチェックを行っている段階である。 またそれと平行して、同じく可変時間刻みを用いた平面弾塑性フレーム解析プログラムを作成し、構造部材1つを実験対象とし、その実験部材の多自由度応答を制御した場合のサブストラクチャ・オンライン地震応答実験における可変時間刻み法の有効性を検討した。その結果、多自由度応答値、特に回転応答と水平応答のオーダーの違いから、これまでの可変時間刻み法ではオーダーの小さい回転応答の制御誤差の影響が適切に処理されず、かえって誤差を増幅する可能性があり、適切な重み付けの検討が必要であることが分かった。
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