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1999 年度 実績報告書

炭素繊維シートを組み合わせたエンジニアリングウッドの開発

研究課題

研究課題/領域番号 11750511
研究機関熊本大学

研究代表者

武田 浩二  熊本大学, 工学部, 助手 (80295120)

キーワード炭素繊維シート / 単板積層材 / 曲げヤング係数 / 曲げ強度
研究概要

炭素繊維シートを組み合わせたエンジニアリングウッドの開発研究は、複数のシリーズを計画している。本年度はシリーズ1として、むく材に炭素繊維シート補強を施し、曲げ載荷試験を行ない、各種データを得た。使用木材はトガの一般材で、断面寸法42mmx42mm、長さ700mmの小型梁試験体に、炭素繊維シートを1層、2層、3層の3種類の補強方法を設定し、無補強試験体との比較を行ないシートによる曲げ補強効果を検討した。また、シート貼付方法を試験体全長にわたって貼付する方法(全貼)と、支点間のみに貼付する方法(短貼)の2種類設定し、支点反力によるシートの端部定着確保の有無による補強効果への影響も調べた。
実験の結果、炭素繊維シートによって曲げ補強したむく材梁の基本性状として、曲げヤング係数(MOE)が最大66パーセント上昇、曲げ強度(MOR)が最大47パーセント上昇、変形能力(たわみ値)が3.8倍以上上昇、となることが分かった。補強層数の影響であるが、全貼の場合シート補強層数が増加するにつれてMOE、MORの上昇率も高まっているが、短貼の場合はその傾向が見られず層数に応じてMOE、MORが上昇するとまでは言えないことが分かった。全貼の場合、シート端部が支点治具により強力に定着されるため、補強層数に応じてばらつきのない安定的な補強効果が得られるが、短貼の場合シート端部はスパン内において定着されず木材に接着されているのみなので、載荷時の挙動も不安定となり実験結果にばらつきが生じやすいのではないかと考えられる。
次年度はシリーズ2として、単板積層材(LVL)の炭素繊維シートの補強の実験を行う予定である。LVLでは単板間にシートを挿入して補強するため、前述の端部定着性能が良好であり、大きな補強効果が期待できる。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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