研究概要 |
これまでに、平成9年度につくば市、平成10年度に福島市および富士市・富士宮市において、塗装を施した外壁の耀度変動すなわち耀度変化率を計測している。その経験から、(1)一地域における調査物件数は50件程度、(2)計測箇所は1階から3階までの3スパン分の窓下部分について実施すれば、研究目的を概ね満足する可能性が高いことを確認している。そこで、平成11年度は、文部省科学研究費補助金(奨励研究A)を受給して、調査地域に多様性を持たせる方針の基に、次の要領で外壁面の耀密度変化率(ΔY/Y_0)を計測した。 1.調査時期:平成11年6月〜平成11年9月 2.調査地域:全国5地域(帯広市、八戸市、新潟市、習志野市、鹿児島市) 3.調査物件:竣工からの経過年数の記録が確実な公共建築物を中心に、各地域約50件を選定 4.測定面:南面および北面における1,2,3階の窓下部分(3スパン分) 5.計測地:汚染箇所および非汚染箇所(汚染の少ない箇所)の耀度変化率(各5回計測) その結果、経過年数を伴なう汚染程度が調査地域によって、差異があることを定量的に確認できた。経過年数をx軸、耀度変化率をy軸とする原点通過直線の回帰係数は、帯広市が0.0052、八戸市が0.0088、新潟市が0.0046、習志野市が0.0054および鹿児島市が0.0159であった。 なお、引き続き平成12年度は、全国4地域の外壁について調査を実施し、論文投稿する予定である。
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