研究の第一段階として、建築計画分野、都市計画分野における密度に関する考え方の整理を、文献研究によって行った。また、内外の研究者に専門的知識を求めた。具体的には、日本建築学会大会で関連研究者との意見の交換を行った。また、ニューヨークコロンビア大学に赴き、関連の研究者らにアドバイスを求めた。 第二段階として、国内の調査対象の集合住宅をいくつか選び、予備調査を行った。具体的には、つくば市内にある県営小野崎団地と大角豆(ささぎ)団地、さらに、岐阜県営北方団地を調査対象に選定した。また、高密居住の海外事例として、ニューヨークの都心と郊外の集合住宅の事例、さらにはベトナムハノイの都市居住の例を調査した。調査は途中段階にあり、分析も途上であるが、環境形成の主体である居住者らが環境の諸要因(物理的要因、対人的要因、社会的要因)とどのような関係を構築しているかを整理し、その中で密度が果たす役割が何かについて、仮説的モデルを構築しようとさまざまな試みを行っている。
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