近年の自転車の急激な普及に伴い鉄道駅への端末交通としての利用が急増し、路上への放置自転車は行政的にも社会的にも大問題となってる。このような中、新たな施策として自転車放置禁止区域の設定や自転車駐車場の有料が実施され、その効果が期待されているが、現状では十分な成果が上がっていない。本研究は、自転車問題解決のための新たな手法として、アンケート調査を動機付け手法として活用することを目指したものである。つまり、一般住民に対して自転車問題の重要性・緊急性を認識させ、彼らの意識改革・行動改革を促す施策として、動機付け手法の開発を目的としている。本年度は、大きく分けて、2つの面から研究を進めた。1つは意識啓発の実例調査で、道府県庁所在都市などを中心に地方自治体の実施例やその効果について調査した。また、既往の文献や関連研究などから意識啓発に関する発達心理学的な諸問題や実験調査例について調査した。他の1つは住民意識調査で、名古屋市内の2地区を対象に、一般住民の「自転車問題の重要性・緊急性に対する住民の認識」を意識調査するとともに、並行してバイアス情報による意識啓発機能を組み込んだ質問項目を作成し、アンケート調査を実施した。その結果については現在分析途中である。
|