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1999 年度 実績報告書

マイクロ波吸収による高温超伝導体の磁束ピンニングに及ぼす放射線照射効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11750574
研究機関九州大学

研究代表者

椎山 謙一  九州大学, 工学研究科, 助手 (30243900)

キーワード酸化物高温超伝導体 / マイクロ波吸収 / 磁束ピンニング / 放射線照射
研究概要

【序論】
高温超伝導体は核融合炉における電磁石用線材として期待されているが、実用化のためには、より高い臨界電流密度Jcが要求される。Jcを向上させるためには、超伝導体内の磁束をピンニングする必要がある。磁束ピンニングの大きさの指標としてピンニングポテンシャルU_0があり、これはマイクロ波吸収法を用いた磁化緩和測定により求めることができる。この方法での測定値の精度は、原理的に非常に高いが、技術的困難なためこの方法での測定はほとんど行われていない。本研究の目的は、高温超伝導体のU_0をマイクロ波吸収法による磁化緩和測定により求めること、またU_0の外部磁場依存性を求めることである。
【実験方法】
試料として、Jcの高い多結晶YBa_2Cu_3O_xを用いた。この試料についてマイクロ波吸収法を用いて磁化緩和測定を行った。なお、測定温度は80K、印加磁場範囲は0.026〜0.13Tである。
【結果】
マイクロ波吸収法による磁化緩和測定の結果、マイクロ波吸収量が時間の対数に対して減少していくこと、また磁場が大きくなるほどその減少率が大きくなることがわかった。Anderson-Kimの理論、U_0=kT〔d(R/R_0)/d(lnt)〕(k:ボルツマン定数、T:測定温度,R_0:マイクロ波初期吸収量)よりU_0を求めると、その値は10.0〜1.83eVとなり、他の方法で求められた値よりも数倍大きくなった。また、U_0の磁場(H)依存性が、Yeshurunの提唱する式U_0=AH^<-n>(A:定数)に従うと仮定し、nの値を求めるとn=0.65±0.56となり、報告されている値(n=0.67)と誤差範囲内で一致した。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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