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2000 年度 実績報告書

リチウム電池用カソード材料酸化物の熱力学

研究課題

研究課題/領域番号 11750579
研究機関東京工業大学

研究代表者

河村 憲一  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50270830)

キーワードギブスエネルギー / 二酸化炭素 / リチウム / 酸化物 / コバルト / 活量 / マンガン / クロム
研究概要

エネルギー密度の高い二次電池として現在注目されているリチウム電池の正極にはLiCoO_2が用いられている。LiCoO_2正極は希少金属であるCoを用いているため,より安価な正極材料としてMn,Fe系が現在,研究開発されている。しかし,これらの系の化合物の熱力学的な安定性についての報告はほとんどない。
本研究はLi-遷移金属-O系化合物中のLi活量を電気化学的に測定し,そこから化合物のGibbsエネルギーを決定することを目的とし,以下の結果を得た。
1.Liイオン伝導性ガラスを固体電解質とし,CO_2とO_2によってLi活量を固定したLi_2CO_3を参照極とした電気化学セルを用い,Li-Mn-O系(LiMn_2O_4-Mn_2O_3),Li-Fe-O系(LiFe_5O_8-Fe_2O_3,LiFe_5O_8-LiFeO_2),Li-Cr-O系(LiCrO_2-Cr_2O_3)のリチウム活量を起電力測定により決定した。その結果からLiMn_2O_4,LiCrO_2,LiFe_5O_8,LiFeO_2の標準生成ギブスエネルギーを約600〜900Kの温度範囲において決定した。
2.約600K以下の低温で起電力の温度依存が逆転するという現象が全ての系で観測された。この現象の理由を明らかにするためインピーダンス測定を行った。その結果,約600K以下の温度で周波数20kHzにおいて電池のインピーダンスは数10kΩの高い値であった。この結果より,低温の起電力の異常は電気化学セルのインピーダンスの上昇に伴い,電極における平衡が達成されなかったために引き起こされたと結論した。この結果はLi-遷移金属-O系化合物中のLiの拡散が遅いことを示唆している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 浅野浩司: "Li-M-O(M=Co,Mn,Fe)系における熱力学パラメーター測定"第41回電池討論会. 470-471 (2000)

  • [文献書誌] 浅野浩司: "LiCoO_2の標準生成自由エネルギー"電気化学会第67回大会講演要旨集. 217-217 (2000)

  • [文献書誌] 河村憲一: "コバルト-リチウム複酸化物の標準生成自由エネルギー"日本金属学会春期大会講演概要集. 324-324 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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