本研究では、申請者が見出したシリカガラスにおけるレーザー支援構造緩和の緩和機構を解明し、エキシマレーザーによる構造緩和の制御法を確立することを目的とする。エキシマレーザー支援構造緩和過程の微視的機構を解明することは、ガラス転移におけるスローダイナミクスの研究に新しい光を当てるものであり、また、広範な分野で使用されるガラス材料の機能性向上にも重要である。本研究の具体的なアウトプットとしては、耐紫外線ガラス&ファイバと超低損失ガラス開発を目標としている。 本年度の研究実績を以下に示す。 (1)エキシマレーザー支援構造緩和効果を利用して、市販のUVファイバのUV耐性を約2倍に向上させることに成功した。 (2)エキシマレーザー支援構造緩和効果の定量化をシリカガラスのパルクを用いて行った。 (3)エキシマレーザー支援構造緩和機構の解明のために、FTIRによる局所構造緩和の測定法の開発を行った。
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