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2000 年度 実績報告書

ナノレベルで構造を制御したFGMの物理的特性の電子・原子レベルシミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 11750597
研究機関群馬大学

研究代表者

相原 智康  群馬大学, 工学部, 助教授 (00231100)

キーワードFGM / ナノクリスタル / Ni_31Al / Ni基スーパーアロイ / 転位速度 / シミュレーション / 分子動力学法 / 応力
研究概要

転位は,結晶の塑性変形の微視的な担い手であり,その挙動の詳細を熟知することは,ナノレベルで構造を制御したFGMの物理的力学特性を評価する場合においても,重要である.しかしながら,実験的には,転位挙動の温度依存性を知ることは難しい.本研究では,刃状転位速度の温度依存性を明らかにする目的を持って,fcc Ni単結晶の一軸引張応力下における塑性変形について,分子動力学(MD)シミュレーションを行った.シミュレーションはFinnis-Sinclair型のポテンシャルを用いて,77から1200Kの温度範囲で行った.
刃状転位は最初,結晶表面から発生し,{111}面上を結晶内部に向かって進展する.シミュレーションによるヤング率の温度依存性は,過去に報告されている実験結果に良く似た傾向を示す.シミュレーションによる弾性定数から,結晶の横波の音速を計算した.横波の音速で規格化した転位速度は,600K以下の温度においでは,約0.7の値に収束する.600K以上においては規格化した転位速度は温度上昇とともにリニアに減少する.1200Kでは転位速度はゼロとなり,塑性変形に伴って,もはや転位の発生は見られず,原子の連携運動によってのみ変形が進行する.超音速転位(固体の音速をこえる速度で結晶中を移動する転位)の存在の可能性について,変形モードの観点から考察を行い,圧縮ならびにせん断の各モードにおいては,超音速転位の存在は可能であるが,引張のモードにおいては,超音速転位は存在し得ないことを示した.分子動力学シミュレーションの結果もこれを支持している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tomoyasu AIHARA: "Molecular Dynamics Simulation of Temperature Dependence of Dislocation Behavior in foc Ni Single Crystal under Tensile Condition"Mater. Trans. JIM. Vol.42,No.3. 425-428 (2001)

  • [文献書誌] Tomoyasu AIHARA: "Molecular Dynamics Simulation on Deformation Dynamics of Ni/Ni_3Al Composite with FGM or NFGM Type Interface"Advances in Materials Research. (印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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