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1999 年度 実績報告書

電場および磁場によるガラス状態の制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11750630
研究機関東京都立大学

研究代表者

山登 正文  東京都立大学, 工学研究科, 助手 (40244420)

キーワードガラス / 熱処理 / 電場 / 磁場 / ポリエチレン-2,6-ナフタレート / 誘電分散
研究概要

本研究はガラス状態の構造変化を局所的な分子運動をプローブとして用いることにより詳細に検討を行った.また,局所的分子運動に外場を作用させることによるガラス状態への影響について検討を行った.本研究では新写真システム(APS)のベースフィルムとして用いられているポリエチレン-2,6-ナフタレート(PEN)に着目した.PENフィルムはAPSの仕様を満たすためガラス転移温度(120℃)直下で1日〜3日程度の熱処理を行う必要がある.さらにPENはガラス転移温度直下に非常に低周波数の分子運動が存在することが知られている.この分子運動は100℃でおよそ0.2Hz,110℃でおよそ1Hzである.本研究で行った誘電分散測定によりこの分子運動がナフタレン環の運動であることが明らかになった.PENフィルムを110℃で熱処理を行うことによりエンタルピー緩和が確認された.このエンタルピー緩和した試料ではナフタレン環の分子運動が制限されていることが誘電分散測定から明らかになった.このことによりエンタルピー緩和によりナフタレン環のパッキングが進んでいることが示唆された.熱処理する際にナフタレン環の分子運動と同程度の周波数を印可することにより熱処理への影響について検討した.110℃での熱処理中に1Hzの電場を印可することによりエンタルピー緩和の時定数に変化が見られた.このことから熱処理中に局所的な分子運動と同程度の交番電場を作用させることにより,エンタルピー緩和をコントロールできることが明らかになった.つまりガラス状態を外場によりコントロールすることが可能であることが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 山登正文、木村恒久 伊藤栄子: "ポリエチレン-2,6-ナフタレートの誘電緩和挙動に及ぼすTg以下の熱処理の影響II"Polymer Preprint Japan. 48. 934 (1999)

  • [文献書誌] 山登正文、木村恒久、品川幸雄、橋本斉和: "ポリエチレン-2,6-ナフタレート(PEN)のphysical agingに対する電場効果"Polymer Preprint Japan. 48. 3745-3746 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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