研究概要 |
今年度は,主に超音波センサを用いた素材と工具間の真実接触面積の測定を行った.また,AEセンサを用いた摺動摩擦における接触面での微視的挙動の解明を試みた.具体的な研究成果は以下にします. 1)特殊レンズで超音波をΦ1mmに絞るセンサーを金属工具に埋込み,素材と工具間の接触面積と超音波の反射波信号との相関を求めた.様々な面圧を工具に付加して,接触面積の変化を計測した.この場合,超音波の反射信号エネルギーは素材/工具界面に存在する潤滑油に大きく影響される.これらの影響を考慮して素材/工具面の真実接触面積と反射波との相関を明らかにした. 2)AEセンサを用いて測定した摺動摩擦時の信号をFFTや離散化ウィーブレットなどの信号処理技術で処理し,また摺動試験後の素材表面形状を測定した結果と合せて摺動界面での微視的挙動を分析した.この結果,摩擦によるAE信号は主に100KHz〜400KHzの周波数を持ち,これは主に素材表面にある百ミクロン前後の微小突起が摺動時,工具との凝着と剥離を繰り返し起っていると思われる. 今後,各種摺動条件において,界面での微視的挙動を分析し,AE信号による摩擦力の定量評価を試みる.また,超音波センサの情報と合せて,摩擦の挙動を定量評価を試みる.
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