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縦型帯域溶融結晶成長装置を用いAg-Si共晶系およびCu-Pb偏晶系の共晶又は偏晶凝固に及ぼす凝固方向の影響を調査した。Ag-Si共晶合金とAl-Si共晶合金について同様の検討を行った。これらの共晶系はfaceted/nonfaceted共晶系と呼ばれる同一分類の共晶系に属する。ただしAl-Si共晶合金ではnonfaceted相であるAl相(2.7g/cm3)とfaceted相であるSi相(2.3g/cm3)の比重がほとんど同じであるのに対し、Ag-Si系ではAg相の比重(10.5g/cm3)が大きくfaceted相とnonfaceted相の比重の差が大きいことを特徴とする。実験の結果、Al-Si共晶系では順方向、逆方向とも同一の連続成長組織"coupled growth"であった。一方、Ag-Si系では逆方向の組織はAl-Si系と同一であったのに対し、順方向ではfaceted相であるSi相が直径10ミクロン程度の粒状に分散した不連続成長組織"devorced growth"となった。この結果は、従来の凝固理論"Jackson/Hunt理論"では説明できない特異な現象であり、重力またはそれに起因する対流が共晶成長に顕著な影響を及ぼすことが明らかとなった。Cu-Pb偏晶系ではこの径の特徴であるBanded Zoneの形成が、順方向では発生しないが逆方向では発生するという現象が明らかとなった。Devorced growthやBanded Zoneのメカニズムを検証するため、有機物系における結晶成長実験を行っている。
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