1.ベイズ非定常時系列モデルと一般化尤度比検定の組合わせの検討 プロセス信号の経時変化がベイズ非定常時系列モデル(トレンド成分等を考慮)にて記述されることを前提にし、平均がほぼ一定の定常状態から異常状態となる経時パターンを選定した。特に、ステップ変化またはランプ変化といったトレンド変化を異常状態とする一般化尤度比検定のプログラムコードを作成した。 2.一般化尤度比検定の実行性の検証および逐次確立比検定との比較 研究室所蔵のパーソナルコンピュータ等を使用し、仮想的な信号データを数値的に作成し、異常状態において一般化尤度比検定を適用した場合の異常検出に要する時間ならびに検出制度に関する検討を行った。また、一般化尤度比鑑定の代わりに逐次確立比検定を適用した場合と比較した。逐次確立比検定を用いる場合、異常状態を判断するしきい値を統計的理論によって設定することができるが、異常状態として予想される量以下のステップ変化を検出することが困難であり、異常検出には数種類の検定が必要になる。ただし、アルゴリズムが単純であるため大規模の変化にも対応可能である。一方、検定フィルタが単一ですむ一般尤度比検定を用いる場合、異常状態を判断するしきい値の決定が難しいという問題があるが、比較的小規模のステップ変化量を良好に検出することができることが分かった。これらの結果の一部は、化学工学会第32回終期大会(金沢、1999)で発表した。
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