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1999 年度 実績報告書

高ローディング領域におけるD2EHPA-金属錯体の抽出平衡の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11750671
研究機関東京理科大学

研究代表者

庄野 厚  東京理科大学, 工学部, 講師 (20235716)

キーワード抽出平衡 / 逆ミセル / 赤外吸収スペクトル / 小角X線散乱 / 有機リン酸
研究概要

本年度は、Di(2-ethylhexyl)phosphoric acid(以下D2EHPARと略)によるNaの抽出挙動について、pHが3.5から6の範囲で測定した。その結果、pHが約5、抽出率でほぼ20%までは、既往の抽出平衡式による計算線と実測値は一致した。FT-IRによる試料の吸収スペクトルを測定した結果、950〜1150cm^<-1>に吸収スペクトルが観察され、このスペクトルは8つのピークが重なり合っていること及びこれらのピークのうち1004cm^<-1>におけるピークがP-O-H伸縮振動によるものであることが判った。このピークはD2EHPA濃度に比例して強度が強くなることから有機相中の遊離D2EHPA濃度を決定することができると考え、得られた結果を低抽出領域における平衡関係から計算した遊離D2EHPA濃度と比較した結果、良好な一致が見られた。
また、小角X線散乱測定データを解析したところ、抽出率がほぼ20%までは、散乱スペクトルに角度依存性がなく、抽出率が20%を超えると角度依存性が生じることがわかった。距離分布関数およびKratky Plotから生成した逆ミセル形状について検討を行った結果、円柱状の逆ミセルが形成していると考えられたので、この円柱の大きさと抽出率の関係について解析を試みた。その結果、抽出率が60%までは、円柱の直径と長さは抽出率の増加に対して微かに増加する程度であるが、抽出率が60%を越えると円柱の直径はほぼ一定で長さが抽出率の増加とともに急激に増加する事がわかった。これらの結果から、抽出率が20%までは、D2EHPA-Na錯体のみが形成し、さらにNa抽出率が20%を越えると逆ミセルの形成が生じることが示された。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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