研究概要 |
本研究では、ジメチルエーテルやメタノールと炭酸ガスのみを原料とする炭酸ジメチル合成用触媒反応プロセスの構築につながる触媒開発を目指す。これに対して、最近、私は酸塩基両機能性を持ったジルコニア触媒が、炭酸のジエステルであるDMCを炭酸ガスとメタノールから直接合成する触媒であることを見いだしました(2CH_3OH+CO_2→(CH_3O)_2CO+H_2O)。ここでの副反応としてはメタノールの脱水によるジメチルエーテル(CH_3OCH_3,DME)が想定できるが、現時点においては、DMEは観測されず、DMC選択率100%となっている。しかし、メタノール高転化率においては、DMEの副生は避け難く、その際はH_2OによるDMCの分解から収率の低下を引き起こすことは容易に予想される。実際に、私が見いだした反応系においても、水共存によるDMC合成反応の抑制効果は著しいものであった。そこで、水が関与しないあたらしい反応系としてDMEと炭酸ガスからのDMC合成(CH_3OCH_3+CO_2→(CH_3O)_2CO)法の開発を目指してきた。反応場の水を化学反応により除去し、平衡的な制約を超える収率を目指している。この反応としてCOによる水性ガスシフト反応、またエーテルの加水分解を検討している。
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