研究概要 |
アミノ酸から合成したキラルなアミノアルコールを用いてオキサゾリジノン不斉制御子を有する新規アクリルアミド親双極子,N-アクリロイル-1,3-オキサゾリジン-2-オン,の開発を行い、ベンゾニトリルオキシドとの不斉1,3-双極子付加環化を行ったところ、(1)オキサゾリジノン4位の遮蔽置換基がベンジル基,(2)オキサゾリジノン5位に遮蔽置換基の配座制御のためのアルキル基を導入し,(3)金属塩としてMgBr_2を添加すると、無添加の場合(ジアステレオ選択性43/57)とは逆のジアステレオマーが主となり、高いジアステレオ選択性で対応するキラルなイソオキサゾリン誘導体が得られることが明らかとなった(96/4,収率86%)。得られたイソオキサゾリン誘導体は、L-Selectrideとの反応により光学活性なイソオキサゾリン-5-メタノール誘導体へと導いた。同様に、p-メトキシベンゾニトリルオキシド、p-ニトロベンゾニトリルオキシド、P-フルオロベンゾニトリルオキシドとの反応においても、それぞれ91/9、73/27、76/24の選択性で対応するイソオキサゾリン誘導体が得られた。 一方、新規に開発した4-ベンジル-2,2-ジメチル-5,5-ジフェニルオキサゾリジンを不斉補助基を有するアクリルアミド型親双極子と種々のニトリルオキシドとの反応により、金属塩を用いることなく対応するイソオキサゾリン誘導体を92/8〜97/3のジアステレオ選択性で合成した。
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