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2000 年度 実績報告書

遷移金属触媒を用いた新規立体選択的フッ素化反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11750748
研究機関岡山大学

研究代表者

網井 秀樹  岡山大学, 工学部, 助手 (00284084)

キーワード有機フッ素化合物 / 遷移金属触媒 / 炭素-ハロゲン結合活性化
研究概要

本研究は、酸フッ化物等の炭素-ハロゲン結合を遷移金属錯体触媒を用いて活性化し、不飽和有機化合物と反応させることによって、位置並びに立体選択的に有機フッ素化合物を得ることを目指した研究である。
まず、酸フッ化物を基質に用いて本反応を試みた。不飽和有機化合物としてアルキンを用いた分子間反応、及び同一分子内に炭素-炭素3重結合を有する基質を用いた分子内反応を種々検討してみたが、強固な炭素-フッ素結合の切断は非常に困難であることがわかった。また金属錯体と相互作用を期待して、基質の酸フッ化物側に配位性置換基の導入を行ったが、これも非常に難しいプロセスであることがわかった。
酸フッ化物と等電子構造を有するハロゲン化イミドイルを含フッ素基質として用いることにより、同種の有機フッ素化合物の新規構築法が期待できる。遷移金属触媒存在下、含フッ素ハロゲン化イミドイルと各種不飽和有機化合物との反応を検討した。その結果、触媒量のロジウム(I)錯体存在下、含フッ素ハロゲン化イミドイルとアルキンとの分子間反応を行ったところ、良好な収率で含フッ素キノリンが得られることがわかった。本反応は、1)ロジウム錯体による炭素-ハロゲン結合の活性化、2)アルキンとの位置選択的な炭素-炭素結合形成(末端アルキン等の非対称アルキンを反応剤として用いた際の高い位置選択性)、3)従来のキノリン骨格構築法には乏しかった「適用基質の範囲の広さ」(電子吸引性基やシリル基等の官能基を有するアルキンにも適用可能)等の多くの特徴を有している。含フッ素キノリンは医薬等の生理活性物質として利用されており、入手容易な出発原料から触媒量のロジウム(I)錯体を用いるだけで(わずか1段階で)含フッ素キノリンが得られる本反応は、国内外の多くの化学者から高い評価を得ている。
今後は、本プロセスのさらなる応用展開についての研究を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Amii,Y.Kishikawa,and K.Uneyama: "Rh(I)-Catalyzed Coupling Cyclization of N-Aryl Trifluoroacetimidoyl Chlorides with Alkynes : One-Pot Synthesis of Fluorinated Quinolines"Organic Letters. 3巻(印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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