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2000 年度 実績報告書

シラシクロブタンの開環重合による新規含フッ素ポリカルボシランの精密合成

研究課題

研究課題/領域番号 11750764
研究機関京都大学

研究代表者

松本 幸三  京都大学, 工学研究科, 助手 (90273474)

キーワードシラシクロブタン / ペルフルオロアルキル / ロジウム触媒 / ポリシラシクロブタン / フルオロポリマー / 開環重合 / ポリカルボシラン
研究概要

本研究では、フッ素ポリマーとケイ素ポリマーの両方の特性を生かした新しい機能性材料の開発を目指し、フルオロアルキル基をケイ素上に有するシラシクロブタンモノマーの合成、重合、および生成ポリマーの性質に関して検討を行った。得られた成果を以下に示す。
(1)ジエチルエーテル中-78℃で1,1-ジクロロシラシクロブタンとヨウ化ペルフルオロアルキルの混合物に2等量のメチルリチウムを作用させると、1-メチル-1-ペルフルオロアルキルシラシクロブタンが得られることを見いだした。また、同様に1-クロロ-1-フェニルシラシクロブタンとヨウ化ペルフルオロアルキルの混合物に1等量のメチルリチウムを作用させると、1-フェニル-1-ペルフルオロアルキルシラシクロブタンが得られることを見いだした。
(2)1-メチル-1-ペルフルオロアルキルシラシクロブタンは、RhCl(PPh_3)_3を触媒として用いると100℃で重合し含フッ素ポリカルボシランを与えるが、同条件で1-フェニル-1-ペルフルオロアルキルシラシクロブタンは、全く重合しないことがわかった。溶媒は、テトラヒドロフランが適しており、1,4-ジオキサンやトルエン、ベンゼン等は、重合の進行を著しく阻害することが明らかとなった。また、白金やパラジウム等の遷移金属には、触媒活性がないことがわかった。
(3)含フッ素ポリカルボシランは、ヘキサフルオロベンゼン等のフッ素系溶媒やジエチルエーテルに高い溶解性を示した。しかしながら、クロロホルムやトルエン、ベンゼン等の汎用の無極性有機溶媒には不溶であった。また、生成したポリマーのガラス転移温度は、-37℃であり、極めて柔軟なポリマーであることが明らかとなった。さらに、ポリマー薄膜と水との接触角は、97゜であり、極めて疎水性の高いポリマーであることがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Matsumoto: "Synthesis and micelle formation of fluorine-containing block copolymers "Studies in Surface Science and Catalysis. 132. 61-64 (2001)

  • [文献書誌] K.Matsumoto: "Synthesis of Anionic Amphiphilic Carbosilane Block Copolymer : Poly (1,1-diethylsilacyclobutane-block-Methacrylic Acid)"J.Polym.Sci.,Part A : Polym.Chem.. 39・1. 86-92 (2001)

  • [文献書誌] K.Matsumoto: "Perfluoroalkyl-philic Character of Poly (2-Hydroxyethyl Vinyl Ether) -block-Poly[2-(2,2,2-Trifluoroethyoxy) ethyl Vinyl Ether] Micelles in Water : Selective Solubilization of Perfluorinated Compounds"Macromolecules. 33・22. 8295-8300 (2000)

  • [文献書誌] K.Matsumoto: "Synthesis and Anionic Polymerization of Silacyclobutanes Bearing Naphthyl or Biphenyl Groups at the 3-Position"Polym.J.. 32・12. 1022-1029 (2000)

  • [文献書誌] K.Matsumoto: "Organolithium-Induced Anionic Polymerization of 1,1,3,3-Tetramethyl-1.3-disilacyclobutane in the Presence of hexamethylphosphoramide"Macromol.Chem.Phys.. 201・7. 805-808 (2000)

  • [文献書誌] K.Matsumoto: "Anionic Ring-Opening Polymerization of Phenylsilacyclobutanes"Polym.J.. 32・4. 354-360 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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