研究概要 |
ゾルーゲル法により合成したポリメタロシロキサンと,有機合成化学的な手法により合成したミクロ構造が高度に制御されたポリメタロシロキサンの性質を比較するために,側鎖にアルコキシ基を有するポリメタロシロキサンを合成した。 t-ブトキシビニルジイソシアナトシランおよびt-ブトキシイソプロポキシジイソシアナトシランの加水分解により,1,3-ジ-t-ブトキシ-1,3-ジビニルまたはジイソプロポキシ-1,3-ジシロキサンジオールを合成した。これらとビス(2,4-ペンタンジオナト)チタンまたはジルコニウムジイソプロポキシドを1:1のモル比をで反応すると,褐色の高粘性が得られ,その再沈殿により黄白色の沈殿を単離した。この黄白色の沈殿を焼成するとシリカ-チタニアまたはシリカ-ジルコニア系の酸化物が得られ,高温ではチタニアおよびジルコニアが結晶化した分相したセラミックスになった。 メチルトリイソシアナトシランを加水分解するとジメチルテトライソシアナトジシロキサンが生成した。液相中での加水分解ではジシロキサンの他にオリゴシロキサンが副生したが,気相中で加水分解することにより高選択的,高収率でジシロキサンが生成した。ジシロキサンをさらに気相中で加水分解すると,テトラシロキサンが生成した。これらのオリゴシロキサンをイソプロピルアルコールと反応させると,側鎖にイソプロポキシ基とメチル基を有するポリシロキサンが得られた。 また,テトラエトキシシランとチタンまたはジルコニウムアルコキシドの混合物を塩酸存在下で穏やかに加水分解してポリチタノシロキサンまたはポリジルコノシロキサンを合成した。これらは直ちに縮合してゲルを生成するので,アセチルアセトンと反応させて,アセチルアセトナト誘導体として単離した。
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