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1999 年度 実績報告書

生分解性脂肪族ポリエステル単結晶の結晶構造と酵素分解性の相関解明

研究課題

研究課題/領域番号 11750784
研究機関理化学研究所

研究代表者

岩田 忠久  理化学研究所, 高分子化学研究室, 研究員 (30281661)

キーワード単結晶 / 透過型電子顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / 結晶構造 / 表面構造 / 配向結晶性フィルム / X線繊維図 / 生分解性脂肪族ポリエステル
研究概要

熱可塑性高分子材料であるポリヒドロキシバレリル酸(P(3HV))は、自然環境中に存在する微生物が菌体外に分泌する分解酵素により加水分解される、生分解性脂肪族ポリエステルである。本年度は、遺伝子組換え菌により生合成されたR体のみで構成され、高度な立体規則性を有する生分解性高分子材料であるP(R-3HV)の単結晶を生成し、その結晶構造及び表面構造を解析することを目的とした。P(R-3HV)の単結晶は、クロロホルムとメタノールの混合比率1:49と1:99、結晶化温度60度、結晶化時間1時間30分により生成された。単結晶は、ほぼ正方形の形態を示し、非常にシャープな回折点を与えた。電子回折図の全ての回折点は、a*軸とb*軸の直交格子上に位置し、いずれの軸においても消滅則が成立したことから、二次元空間群はp2ggであることがわかった。ポリエチレン修飾法による単結晶の透過型電子顕微鏡観察より、単結晶表面において、分子鎖は折れ曲がり構造をとっていることが明らかになった。さらに、原子間力顕微鏡による結晶厚の測定から、単結晶のモノラメラの結晶厚は、6nmであることがわかった。原子間力顕微鏡の横振動測定モード像では、正方形の単結晶表面に分子鎖の引っ張り強度に依存するクロスセクション像が観察された。また、配向結晶化フィルムを作製し、X線回折も同時に試みた。オイルバス中で、96度にて3倍以上に再現性良く延伸することができた。全てのX線繊維図上の回折点面間隔値より、P(R-3HV)の結晶は斜方晶系に属し、空間群P212121をとることがわかった。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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