研究概要 |
航空宇宙工学分野において我が国にとって最も重要な「再使用型宇宙往還機や帰還型惑星探査機の自主開発」に資することを狙って,これらの機体が大気飛行する際に周囲の空気流からどのような力およびモーメントを受けるか(空気力学的特性)を詳細に同定するために最適な「無隔膜式ルートヴィーク管」の試作を進めている. 本研究で試作されるルートヴィーク管は,長さ12m程度の貯気管の一瑞に高速開閉弁,ラバルノズル,および測定洞を取り付け,さらにこれをダンプタンクに連結した構成である.高圧空気を貯気管に蓄え,高速開閉弁を開いてこれをノズルに導くことにより,低乱れ・高レイノルズ数の極超音速流が測定胴内に生成される.その構成要素のうち高速開閉弁はすでに作製されている.平成11年度は,のこりの基本構成要素のうち超音速作動に必要な部分を設計し,その製作を進めた.則ち, 1.諸外国の宇宙往還機の飛行条件を調査し,準一次元流れ解析に基づいてルートヴィーク管の代表的な設計点を決定した.調査のための海外旅費を本補助金から支出した. 2.決定された設計点について貯気管およびその架台を設計し,製作発注した.貯気管に設置される安全リリーフ弁と架台の製作購入費用を本補助金から支出した.貯気管の製作費用は別途国立学校校費より支出された. 3.マッハ2,4,5の軸対称コンタードノズルを設計した. 次年度以降,これら貯気管,高速開閉弁,およびノズルを接続し,さらに空気源,測定胴,ダンプタンク,および真空ポンプを付加してルートヴィーク管の基本構成部分を作り上げ,超音速流作動を達成する予定である.さらに,貯気管空気を暖めるための「加熱貯気層」を設計製作し,極超音速作動を試みる.
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