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1999 年度 実績報告書

黄色ブドウ球菌の血球崩壊毒素遺伝子の水平伝播及び毒素の作用機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11760050
研究機関東北大学

研究代表者

金子 淳  東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30221188)

キーワードStaphylococws aureus / γ-Hemolysin / Lenkocidin / Panton-Valentine Lenkocidin / phage conversion
研究概要

1.感染能力のあるファージの取得
フルンケル症患者の感染巣より得られたPVL保有株32株のうち1株から、いくつかのPVL陰性の臨床分離株に溶原化しPVL産生株へと変換するファージを得、φSLTと命名した。φSLTは約100×50nmの長頭型頭部と長さ約400nmの尾部からなり、cosを持つ約44kbの二本鎖DNAゲノムを有した。これまでに塩基配列を決定した領域では、PVL遺伝子およびattPサイト周辺等、部分的にφPVLと相同な領域が見られるが、その他の領域はφPVLとは異なっていた。以上の結果、PVL遺伝子は複数のファージ上に存在し、水平伝播される事が示唆された。現在さらに解析を進めている。
2.P83プロファージの解析
プロファージ、φPV83-proの45,634bpの全塩基配列を決定し、現在その解析と確認の作業を行なっている。これまでに2種類の新規のISのトランスポゼースを含む64のORFが見いだされた。PVL型クラスターはattサイト近傍、lytの下流に位置していた。φPV83-proのcos及びmorphogenesis領域を含む約55%の領域はφPVLとほぼ一致していたが、φ11ファージのattやintを持つなど他のファージとキメラ構造をとっていた。
3.ISの解析
φPV83-pro中にIS30ファミリーの特徴を持つISSA1、IS1272と高い相同性を有するISSA2を見いだした。
現在、転移能を証明する系を模索中である。
4.LukF,LukF-PV成分の機能領域の解析
LukF単量体とαーToxinの7量体の立体構造の比較から、LukFのTrp^<177>Arg^<198>が血球膜上のホスファチジルコリンとの結合及びγ-ヘモリジン活性に重要であること、赤血球への結合にはこれに加えてTyr^<72>とArg^<203>が赤血球膜の未知のレセプターへの結合に必要であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 金子 淳: "細菌の生き残り戦略-外来DNAを武器にするブドウ球菌(総説)"栄養・食糧化学セレクション. 1. 17-25 (1999)

  • [文献書誌] AKIKO SHIMATANI: "Construction of a LukS-PV Mutant of a Staphylococcal Panton-Valentine Lenkocidin Component having a high LukS-like Function"Biosci. Biotechnol. Biochem.. 63(10). 1828-1830 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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