高等植物の花芽形成過程は、各種植物ホルモンの働きによって制御されていることが知られている。近年、ジベレリン、ブラシノステロイドなどの植物ホルモンの生合成過程にチトクロームP450(P450)の酸化反応が関与していることが明らかになってきた。申請者は、ペチュニアの花芽形成過程の初期段階で特異的に発現する9種類の遺伝子を高等植物から初めてクローニングし、これら遺伝子がP450をコードしていることを明らかにした。そこで本研究の目的は、これらP450の遺伝子破壊植物を作成し、野生型植物と比較することにより花芽分化・花芽形成過程におけるP450の働きを解析することである。4000個体のペチュニアミュータント植物を用いた研究から、2種類の花芽特異的P450についてそれぞれ2個体のトランスポゾン(dTph1)挿入ミュータントを得た。さらに本年度は、他の7種類のP450についてもミュータント植物をスクリーニングし、これらすべての変異体と野生型のペチュニアの花芽形成過程について、形態的な差異を比較を行った。オランダのKoseらのグループとの共同研究で現解析した結果、変異型植物は野生型植物に比較して、成長がやや遅くなることが明らかになった。 次に、酵母、発現ベクターpAAH5にP450cDNAを挿入し、酵母用発現ベクターを作製する。酵母Saccharomyces cerevisiaeを形質転換した後、ミクロソーム画分を精製し、ジベレリンとブラシノステロイドの代謝実験を行った結果、本P450はこれらの二次代謝物の酸化反応には関与しないことが明らかとなった。
|