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2000 年度 実績報告書

硫酸転移酵素の構造および機能的な多様性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11760072
研究機関宮崎大学

研究代表者

榊原 陽一  宮崎大学, 農学部, 助手 (90295197)

キーワード硫酸転移酵素 / 硫酸化 / 内分泌かく乱物質 / 遺伝子ファミリー / イソフラボン / クローニング
研究概要

硫酸化は、生体内において広く生体外異物や薬物の解毒代謝として重要な機能を持つ。近年、野生動物の生殖及び生態上の変異、ヒトにおける精子数の減少などについて報告され、「内分泌かく乱物質」(環境ホルモン)の影響が指摘されるようになってきた。このような背景から、硫酸化は「内分泌かく乱物質」の生体内代謝機構に何らかの役割を持つ可能性が考えられる。そこでヒト硫酸転移酵素および培養細胞を用いて、「内分泌かく乱物質」の硫酸化による生体内代謝の重要性を検討した。7種のヒト硫酸転移酵素を使用し、基質として「内分泌かく乱物質」候補物質であるビスフェノールA、アルキルフェノール類、合成エストロゲンなどを使用した。その結果、これらの「内分泌かく乱物質」が種々の硫酸転移酵素により硫酸化されることが判明した。
マウス新規硫酸転移酵素をクローニングし大腸菌において発現し、リコンビナント酵素を用いて諸性質の検討を行った。その結果、本酵素はSULT1C2mouであることがアミノ酸配列によるホモロジー解析の結果判明した。本酵素はp-ニトロフェノール、トリヨードチロニン、ビスフェノールAを硫酸化した。現在、2種類の新規ヒドロキシステロイド硫酸転移酵素のクローニングを行っている。これらの結果より、マウスにおいて少なくとも14種の異なる遺伝子によりコードされた硫酸転移酵素が存在することが明らかとなり、大きな硫酸転移酵素遺伝子ファミリーを形成し、多様な機能を持つことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Suiko,M.,Sakakibara,Y.and Liu,M.-C.: "Sulfation of environmental estrogen-like chemicals by human cytosolic sulfotransferases"Biochemical and Biophysical Research Communications. 267. 80-84 (2000)

  • [文献書誌] Liu,M.-C.,Suiko,M.and Sakakibara,Y.: "Mutational analysis of the substrate-binding/catalytic domains of human M-form and P-form phenol sulfotransferase"The Journal of Biological Chemistry. 275. 13460-13464 (2000)

  • [文献書誌] Ranasinghe,J.G.,Liu,M.-C.,Sakakibara,Y.and Suiko,M.: "Manganese administration induces the increased production of dopamine sulfate and depletion of dopamine in Sprague-Dawley rats"Journal of Biochemistry (Tokyo). 128. 477-480 (2000)

  • [文献書誌] 榊原陽一,水光正仁: "内分泌攪乱物質と硫酸転移酵素の密接な関係"化学と生物. 38. 776-778 (2000)

  • [文献書誌] 榊原陽一,水光正仁: "硫酸転移酵素 遺伝子および機能の多様性"バイオサイエンスとバイオインダストリー. 59. 17-21 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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