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1999 年度 実績報告書

中枢性疲労発生機構の解明-運動による脳内TGF-βの活性化及びその疲労感生成機構-

研究課題

研究課題/領域番号 11760104
研究機関京都大学

研究代表者

井上 和生  京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80213148)

キーワードTGF-β / fatigue / exercise / EEG
研究概要

疲労させた動物の脳内ではTGF-βが増加し、TGF-βがその動物の自発行動を抑制するということから、TGF-βが動物の疲労感の生成に深く関与していることを明らかにしてきた。本年度は、TGF-βによって引き起こされる疲労感生成のメカニズムを詳細に調べる目的で、脳内にTGF-βを投与した際の脳波変化、脳におけるTGF-β作用部位について検討した。
1.TGF-βの脳室内投与が脳波に及ぼす影響
運動により疲労させたラットおよび安静状態のラットの脳波を4時間測定し、得られた脳波を高速フーリエ変換によりδ(0.8-4Hz)、θ(4-7Hz)、α(7-13Hz)、β(13-30Hz)の各振動数の波に分割して、各々を比較した。運動により疲労したラットの脳波では、安静状態のラットに比べて全体に対するθ波の割合が高く、α波の割合が低かった。さらに、TGF-βを脳室内に投与されたラットの脳波変化も運動により疲労させたラットのそれと同じ変化が認められ、運動後の脳波の変化がTGF-βを介して引き起こされる疲労感生成に起因するものであることが推察された。また、TRHやCRHなどの投与では全く変化が認められず、このような脳波変化がTGF-βによってのみ引き起こされる特異的な変化であることを確認した。
2.TGF-βの脳内作用部位
疲労感の生成に関与するTGF-βの信号伝達が脳のどの部分で行われているかは全く不明である。TGF-βの信号伝達系路については、近年明らかにされつつあるが、細かい機能分担がなされている脳においてはTGF-βが脳のどの部分に作用しているかが、疲労感生成のメカニズムを知る上で重要であると思われる。TGF-βの信号伝達にはTGF-βtype-Iおよびtype-IIレセプターが必要であるため、脳内における2タイプのレセプターの詳細な発現部位をin situ hybridazationにより検討したところ、小脳において2タイプのレセプターは近接して発現している可能性が見いだされた。しかし、typeIレセプターの発現は全体的に弱いため、TGF-βスーパーファミリーのレセプターについても今後検討する必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 井上和生ら.: "Transforming growth factor-beta activated during exercise in brain depresses spontaneous motor activity of animals. Relevance to central fatigue"Brain Res.. 846. 145-153 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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