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1999 年度 実績報告書

木質の焼成・焼結によるフラーレンの創製と存在様式の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11760126
研究機関京都大学

研究代表者

畑 俊充  京都大学, 木質科学研究所, 助手 (10243099)

キーワード木炭 / スギ / 透過型電子顕微鏡 / ミクロフィブリル / タマネギ型フラーレン
研究概要

スギ(Cryptomeria Japonica D.Don)から円筒形の試験体を切りだし、木炭の原料とした。密閉式の実験室用炭化炉を用いて空気を遮断した状態で700℃、30分間加熱した。その後室温まで自然冷却した。透過型電子顕微鏡観察用の試験体はイオンミリング装置を用いて調製した。そして木炭の微細構造を透過型電子顕微鏡によって観察した。
本研究の特徴は次の五点にある。1.試料調製が困難で、これまでだれも手をつけなった木炭の微細構造をTEMで観察し、炭素の構造のTEM写真撮影を行ったこと、2.ニューカーボン材料のひとつ、タマネギ型フラーレンの前駆体を見出したこと、3.これまで写真でとらえられたことのなかった炭化ミクロフィブリルの撮影したこと、4.炭化ミクロフィブリルとそのまわりの領域を観察することによりタマネギ型フラーレンの前駆体のみられる位置を明らかにし、また炭化ミクロフィブリルとそのまわりのリグニンが多い領域の微細構造の違いを写真により示したこと。
木炭の微細構造を観察したところ、球状で何層にも重なったさまざまな大きさのタマネギ型フラーレンを見出した。試料台を傾けることで各粒子がほぼ球状であることを確認することができた。タマネギ型フラーレンでは、中心にフラーレンC60が存在する。本実験で観察されたC60の大きさは10Åであったが、報告では8-20Åと報告されている。タマネギ型フラーレン内の格子間の間隔は5-6Åで黒鉛の面間隔(3.4Å)と比較すると大きい。
一定の角度で配向する炭化ミクロフィブリルを観察し、ミクロフィブリルを取り囲む領域にタマネギ型フラーレンを確認した。ミクロフィブリル内の微細構造はランダム構造を示す。これは、ミクロフィブリルを取り囲む領域の微細構造とは明らかに異なる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 畑 俊充: "木質系バイオカーボンの微細構造の解析"Cellulose Communications. 6(3). 127-133 (1999)

  • [文献書誌] T.Hata: "Onion-like graphitic particles observed in wood charcoal"J.Wood Science. 46. 89-92 (2000)

  • [文献書誌] 畑俊充: "電子顕微鏡による木質カーボン材料の微細構造解析"日本木材学会学術講演会講演集. 48. 355-356 (1999)

  • [文献書誌] T.Hata: "Microstructural investigation of wood-based carbon materials by electron microscopy"Proceedings of the third international workshop on materials science,Hanoi. 345-348 (1999)

  • [文献書誌] T.Hata: "Microstructural investigation of biocarbon from wood"International Symposium:Can biological production harmonize with environment?. 99-100 (1999)

  • [文献書誌] 畑俊充: "電子顕微鏡による木炭の微細構造解析、木炭中の中空構造体の解析"第49回日本木材学会大会研究発表要旨集. 463-463 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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