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1999 年度 実績報告書

藻類における環境汚染物質の解毒メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 11760136
研究機関徳島大学

研究代表者

佐藤 征弥  徳島大学, 総合科学部, 講師 (00274192)

キーワード藻類 / 酸化ストレス / 解毒 / グルタチオン / システイン
研究概要

多くの生物種において細胞中にはグルタチオンやシステインなどフリーのSH基を持つ低分子(non-protein thiol)が豊富に存在し,それらが解毒や酸化ストレスの解消に関与している。しかし,植物プランクトンにおけるnonprotein thiolの含量が報告されているのはミドりムシのみである。そこで,4種の植物プランクトン(プラシノ藻類Tetraselmis,ハプト藻類pleurochrysis,Isochrysi,Pavlova)を用いて,グルタチオン及びシステインの含量を測定した。その結果,細胞容積から換算した細胞内濃度が最も高かったのはTetraselmisであり,GSH:1.2mM,GSSG:0.19mM,システイン:8.2mM,シスチン:1.9mMであった。一方,最も濃度の低かったPleurochrysisでは,それぞれ0.05mM,0.14mM,0.66mM,1.0mMであった。前者は還元型分子の割合が高く,後者は酸化型分子の割合が高かった。他の2種との比較においても,nonprotein thiolの細胞内濃度の高い生物種ほど還元型分子の占める割合が高いことが分かった。また,単位クロロフィルあたりのnonprotein thiolとして計算した結果においても,同様の大小関係を示し,nonprotein thiol含量(相対量)が多いほど酸化ストレスに対して抵抗力が強いのではないかと示唆された。さらに,pleurochrysisにおいて明期と暗期にそれぞれ定量した結果,暗期では還元型分子の割合が高く,光合成による酸化ストレスが実際にチオールの酸化に関与していることが強く示唆された。
次年度は上記の性質を確証するために重金属耐性とチオール含有量の相関を調べる。また,チオール以外の解毒分子についても解析を進めていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masaya Satoh: "Heavy-metal induced changes in nonproteinaceous thiol levels and Heavy-metal binding peptide in Tetraselmis tetrathele (Prasinophyceae)"Journal of Phycology. 35・5. 989-994 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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