調査地域としては遠隔地の大規模土地利用型農業地帯を取り上げる予定であったが、北海道オホーツク地域(網走支庁管内)を選定し、以下のとおり調査を実施した。 1.農産物の生産から加工・販売への経営展開をはかることは農家の企業化を促す有効な方法であり、農家の所得の向上のみならず雇用を生み出し地域経済の活性化に貢献する。その成功例として、道内外のデパートなどを中心に乳製品・畜産加工品を販売している興部町の「ノース・プレインファーム」と、直売・宅配などを中心としている網走市の「グリーンヒル 905」をとりあげ、それぞれの経営者から経営理念、経営展開などに関する聞き取り調査を実施した。またそれに付帯し、旭川市内の小売店にて、こうした農家による加工品が同様の商品のなかに占める地位についても調査を実施した。 2.地域活性化を促すためには、農協・自治体の役割も重要である。今年度は、離農や耕作放棄の防止による人口・農業生産の維持に関して、湧別町の湧別農協によるファーム・コントラクター事業を取り上げた。湧別農業管内ではアンケート調査を実施し、現在分析中である。また、農協経営によってコントラクター事業がどのような地位を占めてきたのかについても資料を分析中である。これと関連して札幌市のホクレン本所において道内のコントラクター事業の実態およびその他の地域農業支援の実態について調査を実施した。
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