本年度は自動観測装置の制作をほぼ完了しており、その成果を以下に列挙する。 1.試料流量が0.2〜1.0mlで済み、バッファと試料を交互にタイマ駆動により送液するDC電源のプランジャーポンプ送液装置を完成した。計画ではペリスタポンプとしていたが、装置の長期安定動作のため、プランジャーポンプに変更した。制御部もポンプ装置内に内蔵とした。 2.イオン選択電極を、小型フラットタイプ電極からフロースルー型電極に変更した。試料の必要量には変更が無い。これは、設置を山林流域としたため、計画案ではセンサの定量下限と測定範囲が重なる項目があったためである。項目はナトリウム、カリウム、塩化物イオンに限定した。 3.検出部に生体電位計をベースとしたDC電源の電位差計(10の9〜10乗オーダーオームのインピーダンスを有する)を組み込み、出力信号の安定性を向上させた。現在は以上の構成でセンサの特性の検査を完了し、校正方法の確認と連続運転のテストを行っている。4月当初からの現場観測を予定している。
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