研究概要 |
インターネット上で設計が可能な農業機械設計支援システムの構築を行った。得られた知見は以下の通りである。 1.システムの構成と評価について インターネット上での設計を可能とするために,WWW上で設計データのやり取りを行い,設計図面をWhip!4.0を組み込んだWWW上で表示させる,一連のシステムを構築した。サーバ側は,WindowsNTをOSとし,計算プログラムとしてVisual Basic Ver.4.0で作成した実行プログラム,図面作成のためにCADソフトウェアAutoCADを用いた。CGIスクリプトは,ActivePerl5.22を用いて作成し,システム全体のデータの受け渡しやソフトウェアの起動や終了,CAD図面の表示など,一連の流れを制御させた。その結果,システムでは,最適形状を決定する計算部分と図面を描く描画部分が独立しているため,一つのソフトウェアのに限らない汎用性のある構築方法を可能とし,OSに無関係なWWW端末によるシステム利用の可能性を明らかにした。さらに,試験的にシステムをサーバとして運用を試みたところ,ロータリ耕うん刃設計のために要する時間は平均15秒程度であり,実用的なシステム稼働速度を示した。 2.今後の研究の展開 システムは,CGIによっていくつかのソフトウェアを制御しているため,入力パラメータの非整合性によるものや,短時間における多くのアクセスによってシステムの不安定さが示されたため,システムをより安定したものにするCGIスクリプトの改良を行う予定である。さらに,システムの研究事例として,エキスパートシステムの設計を組み込み,ロータリ耕うん刃設計が可能なシステムを構築すると共に,耕うん刃配列データベースやトラクタ動的モデルを有機的に結合させる。
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