成長ホルモン(Growth hormone:GH)は体長の増加やタンパク質合成の促進、脂肪の分解、糖利用の低下などに影響を及ぼし、腺性下垂体より放出されるホルモンである。これまでに濃厚飼料を多給すると和牛GHの分泌パターンで粗飼料を多給した和牛とはまったく異なることを確認している。 本研究は和牛の成長の著しい育成期(3〜8ヶ月齢)に給与飼料を変化させて、それに伴って血中GHの分泌パターンが如何なる変化を示すのかを解明することを目的に行った。本年度は離乳前(3ヶ月齢時)から徐々に給与飼料を変化させる過程で採血を行いGH分泌パターンの変化を追求した。供試牛は九州大学農学部附属農場高原実験実習場にて生産された黒毛和種雄牛を用いた。血液サンプリングはまず、3ヶ月齢時に母牛から離乳する直前、離乳後、給与濃厚飼料を体重比2%、2.5%および3%以上とそれぞれ2週間をかけて徐々に増加させながら経時的に採取した。採血方法は一時的に牛頚静脈にカテーテルを装着し、8時間15分間隔の採血を行い、血中より血清を分離し分析までメディカルフリーザーで保存した。現在radioimmunoassayによりGH concentrationを定量中である。
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