研究概要 |
1)ミジンコHox 遺伝子群およびその標的遺伝子群の発現時期および領域の特定 研究代表者がこれまでにクローン化したミジンコのHox 遺伝子群の内、DapAntpおよびDapScrタンパク質に対する特異抗体を作製した。これらの抗体を用いてミジンコ全胚に対する免疫染色を行い、これらの遺伝子産物の発現時期および領域を明らかにした。現在は、ミジンコのDapUbxおよびDapAbd-Aそれぞれに対する特異抗体の作製を同様に試みている。またHox 遺伝子群の標的遺伝子群である可能性の高い、ミジンコにおけるhh,wg,およびwnt-8の相同遺伝子群(それぞれDaphh,Dapwnt-1,Dapwnt-8)の発現時期および領域をミジンコ全胚に対するin situ hybridization で、またdllの相同遺伝子(Dapdll)の遺伝子産物の発現時期および領域をミジンコ全胚に対する免疫染色でそれぞれ明らかにした。 2)DapAntp遺伝子とDmAntp遺伝子のキメラ遺伝子の構築とその機能の解析 研究代表者がこれまでに明らかにしたショウジョウバエ内におけるDapAntpとDmAntpの機能の違いに寄与している領域を明らかにするために、DapAntp遺伝子とDmAntp遺伝子間で6種のキメラ/変異遺伝子を作製し、それらを保持する形質転換系統を確立した。現在マーカー遺伝子の発現やクチクラパターンを指標にして解析を進めている。 3)ミジンコHox遺伝子群およびその標的遺伝子群をコードする染色体DNAの解析 ミジンコの染色体DNAライブラリーから、DapAntpおよびDapdll遺伝子を含む複数個のクローンを単離し、現在塩基配列の決定を行っている。
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