これまで、本研究課題を遂行するため、海馬CA-1領域のスライス標本を作製し、これにパッチクランプ法を適用するための準備をしてきた。特に、本研究の特徴である、明視野での細胞の観察と電極の装着を目指して機器を整え、現在、遠赤外光による組織深部の観察が可能となった。一方、山形大学医学部と九州大学医学部を訪れ、スライス標本作製手技を習得した。そしてようやくデータをとれる段階に入った。また、本研究課題の単一ニューロンのイオンチャネルの機能とその調節に対する電気生理学的アプローチも必要であるとの判断のもと、秋田大学医学部でその手技を習得した。ここではさらにイオンチャネル遺伝子の導入法についても学び、将来、分子生物学的方法による神経細胞機能の解析に備えている。これまで、実験方法の確立と必要な機器を整えることに時間がかかり、論文等の実績はまだない。今後、速やかに実験結果を得て、その解析に取り組む。
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