前年度にクローニングに成功しなかったα_<1c> subunitの全長のクローニングを行った。3つのsplice variantが得られ、一つのタイプで出生前後で発現量の変化が見られた。β subunitもクローニングに成功したが、ラットの心臓から得られた遺伝子の配列は人の心臓から得られたβ_<2c>とほぼ同じ配列のものであり、従来からラット心筋で発現していると報告のあるβ_<2a>とは異なるものであった。 これらのsplice variantの機能の違いをみるため、in vitroでmRNAを作成し、Xenopus Oocyteに注入して電流の観察を試みた。しかし、電流量の小さいレコードしか得られず、Oocyteに内因性に存在するCa電流との分離が困難であった。そこで、Oocyteに発現させて大きな電流を得る方法として、Xenopusのβグロビンの5'UTRを含んだベクターにのせ換えようと試みている。また、mammalian cell(COS-7)で発現させ、パッチクランプ法で電流を観察すべく、COS-7の培養を開始し、3つのsubunitすべてをほ乳類細胞の発現ベクターにのせ換えようと試みている。
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