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2000 年度 実績報告書

遺伝子改変マウスを用いたPACAPシグナル系によるインスリン分泌促進機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11770044
研究機関大阪大学

研究代表者

橋本 均  大阪大学, 薬学研究科, 講師 (30240849)

キーワードPACAP / インスリン / 膵臓 / β細胞 / トランスジェニックマウス / 遺伝子欠損マウス
研究概要

本研究は、PACAPシグナル系のβ細胞機能調節における役割を生化学的および薬理学的に解析し、PACAPによる1)インスリン分泌調節機構、2)β細胞の増殖および傷害保護作用について解明することを目的として実施しており、本年度は以下の成果を得た。
1.β細胞特異的PACAP発現トランスジェニック(tg)マウスおよび、PACAP欠損マウスの血糖・血漿インスリン値の解析
各変異マウスおよび野生型マウスの平常時の血糖値・インスリン濃度に有為な差は認められなかった。グルコース負荷試験時には、血糖値は各マウスで同等の変化パターンを示したが、インスリン濃度はPACAPtgマウスでは、野生型に比べて高値を、逆にPACAP欠損マウスでは低値を示した。
2.PACAP欠損マウスの膵インスリン含有量が低下していた。
3.遺伝的糖尿病発症マウスとPACAPtgマウスの交配実験により、PACAPの過剰発現によって2型糖尿病に見られる高インスリン血漿の病態が改善される可能性が示唆された。
以上の結果より、PACAPは膵β細胞の全インスリン合成能を調節し、2型糖尿病におけるβ細胞機能に何らかの保護的な働きを持つ可能性が示唆された。また1型糖尿病のモデルとしてのストレプトゾトシン誘発β細胞傷害に対するPACAPの保護作用(前年度の本研究成果)と併せると、PACAPは生理的に、あるいは糖尿病病態時におけるβ細胞機能を多角的に調節・保護する内因性の神経ペプチドであることが示唆された。本研究成果は、PACAPシグナル系を標的とした新しい抗糖尿病薬開発の可能性を拓く上で重要な知見となるものと期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shintani, N.: "Desensitization, surface expression, and glycosylation of a functional, epitope-tagged type I PACAP (PAC_1) receptor"Biochim.Biophys.Acta. 1509. 195-202 (2000)

  • [文献書誌] Hashimoto, H.: "Mice with markedly reduced PACAP (PAC_1) receptor expression by targeted deletion of the signal peptide"J.Neurochem.. 75・5. 1810-1817 (2000)

  • [文献書誌] 橋本 均: "ニューペプチドPACAP受容体の構造と機能"別冊・医学のあゆみ. 79-84 (2001)

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公開日: 2003-09-12   更新日: 2016-04-21  

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