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2000 年度 実績報告書

アルギナーゼによるNO産生の抑制とそれによる病態修飾は可能か?

研究課題

研究課題/領域番号 11770064
研究機関熊本大学

研究代表者

後藤 知己  熊本大学, 医学部, 助手 (20264286)

キーワード一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / アルギナーゼ / アルギニン / リポポリサッカライド / 尿素サイクル
研究概要

一酸化窒素(NO)は重要かつ多彩な機能が注目されている生理活性物質であるが、過剰に産生された場合には宿主細胞にも障害を与えるため、過剰なNO産生を抑制する何らかの機構の存在が考えられる。NOはNO合成酵素(NOS)の働きによりアルギニンを基質として合成されるが、アルギニンはアルギナーゼの基質でもあるため、両者が同一の細胞に発現した場合には基質を競合することになり、NO産生が抑制されると考えられる。実際、昨年度我々はマウスマクロファージ系RAW細胞において誘導型NOS(iNOS)とII型アルギナーゼを共誘導した場合、NO産生が抑制され、NO過剰産生による細胞のアポトーシスが抑制されることを明らかにしている。そこで本研究では、大腸菌リポポリサッカライド(LPS)を腹腔内投与したラットの肝臓において、アルギナーゼを含む尿素サイクル酵素とiNOSの変動を調べ、両者の関係について検討した。
LPS腹腔内投与によりiNOSmRNAは投与後6時間をピークとして一過性に誘導された。この時、細胞外からのアルギニンの取り込みに働くcationic amino acid transporter-2および急性期タンパクの発現誘導に働く転写因子C/EBPβのmRNAも2〜6時間をピークとして誘導を認めた。これに対し、尿素サイクル酵素であるアルギニノコハク酸合成酵素(AS)、アルギニノコハク酸リアーゼ(AL)およびアルギナーゼI mRNAの発現は抑制された。タンパクレベルでは一過性の投与のためか尿素サイクル酵素の変動は認められなかった。これらの結果よりエンドトキシン血症においては尿素サイクル酵素の産生が抑制され、iNOSを始めとする急性期タンパクの産生に、肝臓におけるタンパク産生能が振り向けられると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tabuchi,S., et al.: "Regulation of genes for inducible nitric oxide synthase and urea cycle enzymes in rat liver in endotoxin shock"Biochemical and Biophysical Research Communications. 268. 221-224 (2000)

  • [文献書誌] Iwase,K., et al.: "Induction of endothelial nitric oxide synthase in rat brain astrocytes by systemic lipopolysaccharide treatment"Journal of Biological Chemistry. 275. 11929-11933 (2000)

  • [文献書誌] Koshiyama,Y., et al.: "Expression and localization of enzymes of arginine metabolism in rat eye"Current Eye Research. 20. 313-321 (2000)

  • [文献書誌] Zhang,W.Y., et al.: "Coinduction of inducible NOS and arginine recycling enzymes in cytokine-stimulated PC12 cells and high output production of NO"Molecular Brain Research. 83. 1-8 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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